腎不全の症状を知ることの重要性
早期治療がその後の動向に大きく影響しうる重大疾患の腎不全ですが、もちろん早期に治療できるに越したことはないものの、その前に、まずは腎不全の症状をよく知っておくことも重要です。
なぜならば、腎不全の症状をよく理解することによって、腎不全を疑い、検査をしよう、そしてもし検査で異常が見つかったなら、すぐにでも治療しようという気持ちにすんなり移ることができる可能性が高くなるからです。
腎不全の原因は、糸球体異常や尿細管異常に端を発する確率が高いです。頭痛や動悸、特定部位の痛みなど、生活習慣病の多くに見られる自覚症状であれば、治療への移行もスムーズである場合が多いですが、さすがに糸球体や尿細管の異常に関しては、特に初期的段階ではそう簡単に自覚症状を察知できるものでもありません。
それだけに、すぐにでも治療に移っていただくためには、腎不全の症状を鋭敏に察知することが何よりも重要なのです。そのためには、腎不全の症状をよく知っておくことが重要であるといえるのです。
腎不全にはこんな症状が出る!
それでは、腎不全の実際の症状をご紹介します。自覚症状としてはまだはっきりと現れないごく軽度の段階でいうなら、血液検査や尿検査などでその異常がわかる可能性が高いです。クレアチニン値の上昇やたんぱく尿、血尿といった症状が、腎不全に限らず腎疾患の全般に見られる基本的な症状です。
これだけの症状であれば、まず腎不全を発症するまで悪化しているとは考えられませんが、そのまま放置することによって、いずれ腎不全にまで進展するリスクは当然あります。ですからこの時点で、できるだけ早い治療がすでに望まれていると考えなければなりません。さらに症状が重度化すると、むくみ(浮腫)、高血圧(特に頭痛などの高血圧症)、尿量が減少するなどといった、自覚できる異常が見られるようになります。
この程度の段階の症状が、仮に腎不全によるものであるとするならば、まだ改善可能な急性腎不全の可能性が極めて高いといえます。しかしさらに悪化して、慢性腎不全の段階まで進んでしまうと、今度は意識障害やけいれん、嘔吐や下痢、潰瘍、皮下出血、感覚異常などをはじめとする全身性疾患を伴う尿毒症を発症する可能性が高くなります。
尿毒症はかなり重度な疾患であり、生命の危険が大きい腎疾患ですので、この段階ではすぐにでも病院で治療しなければならないことになります。尿毒症の場合、尿の輩出が困難になることで起こりやすい疾患として比較的よく知られる疾患ではありますが、重度腎不全の典型的症状でもあると認識しておいたほうが無難です。